デトロイトに初めて来た時に、ボスがデトロイトの語源について話してくれたのを先日思い出しました。
デトロイト川のクルーズに参加した時にこの話が出てきたからです。
”デトロイト”という地名はフランス語から来ています。
le détroit (ル デトゥワァ)
は英語で the strait = (狭い)海峡 という意味です。
地図を見るとわかりますが、St Clair湖とErie湖を結ぶ狭い水路(=Detroit川)があり、北側にデトロイト、南側にカナダのWindorがあります。
17世紀後半からヨーロッパの開拓者がこの地に来始めて、1701年にAntoine Laumet de la Mothe Cadillacというフランス人司令官がFort Pontchartrain du Détroitという居留地を建てました。その時、Ste. Anne de Détroitというカトリック教会(現存するものではアメリカで2番目に古い)も建てたそうです。
Antoine Laumetの名前の一部、”de la Mothe Cadillac”は途中で自分で付け加えたそうです。貴族の家系であると思わせるために付けたと言われています。デトロイトの名付け親に因んでという理由で、結果的にこの名前が有名なGMの高級ブランド車キャデラック(Cadillac)に使われているというのは面白い話です。キャデラックのエンブレムは、Antoine Laumetの家紋を元にデザインされたそうです。
以下のサイトで、当時と現在のエンブレムを確認できます。https://history.gmheritagecenter.com/wiki/index.php/Cadillac_crest
当時、デトロイト周辺はフランスによる植民地でしたが、のちに(1763年)イギリスの支配下になります。しかし、その支配も長くは続かず、1796年にデトロイトはアメリカの土地となるのです。
デトロイト市の旗にもその歴史が刻まれています。https://en.wikipedia.org/wiki/Flag_of_Detroit
左下にフランス王家の紋章であるアヤメの花( fleur-de-lis)、右上にイングランド王室の紋章である3頭のライオンがデザインされている。
このような歴史的背景があり、デトロイトを含むミシガンには、大きなフレンチコミュニティがあるようです。デトロイトは、
”A Little France in Michigan”
と呼ばれているとかいないとか。